カメラや家庭用プリンターで有名なキヤノンは、1970年からいち早く複合機(コピー機)を販売し、今では国内シェアトップをリコーと争う実力を誇ります。主に中小企業にターゲットを絞って販売しており、品質に関しては信頼の厚いメーカーです。
ここでは、キヤノン新品複合機(コピー機)の特徴をお伝えするとともに、他の複合機メーカーと比べた際のデメリットをご紹介します。
目次
1、 キヤノン複合機の特徴
キヤノンの新品複合機の特徴について紹介します。
■カラー印刷に強い
カメラメーカーの実力を活かし、普通紙複写機を日本で初めて販売するなど、カラー印刷技術には定評のあるキヤノン。
レーザースキャナーに垂直共振器面発行レーザーを光源とした、赤色マルチレーザーを採用することで、操作パネルやモニターで見る色と、実際に出力した印刷物にズレがほとんどないといわれています。
トナーを改良することで転写性がアップし、印刷画像のがさつきや印字の飛び散りを極限まで軽減することに成功しています。この技術により、エンボス紙やラフ紙など、用紙を問わず色鮮やかな印刷を可能にしました。薄いコピー用紙を使ったときに見られる裏写りも、ほとんど見られません。
原稿検知機能により裏写りされた文字や薄い文字について正しく判別し、必要な文字だけを印刷に反映してくれます。
色の明暗や濃淡が正確に出るので、一般企業のみならず印刷業界やデザイン系企業でもキヤノンの複合機が多く採用されています。カラーを鮮やかに、モノクロをなめらかに表現し、商品サンプルの印刷や図やグラフを入れたカラー資料、文字だらけの原稿も美しく印刷することが可能です。
■ランニングコストが安い
キヤノンの複合機は国内シェアNo.1。そのためトナーの流通量が多く、比較的どこでも手に入れることができます。業務中の急なトナー切れも安心です。
販売店が多く、各店舗が価格競争するのでトナーが安く買えるほか、安価な再生品のリサイクルトナーも販売されています。
また、ドラム一体型トナーカートリッジを採用することで、トナー交換時に自動的に印字部分のセルフメンテナンスができるので、文字かすれなどの印字不良がほとんどありません。トナーは大容量なので交換頻度も少なく、手間が軽減できます。
国内シェアトップの一流メーカーですが、本体価格も比較的安いので導入コスト削減にもつながります。
■修理メンテナンスサポートが充実
修理やメンテナンスは代理店に依頼するのではなく、キヤノン認定のエンジニアが高品質なメンテナンスをしてくれるので安心です。代理店に修理依頼したときに多い、修理した箇所が直っていないというトラブルや、メンテナンスが甘く、何度も修理しないといけないというトラブルはほとんどありません。
複合機の調子が悪いと感じたら、電話やメールでのサポートはもちろん、訪問修理や引き取り修理にも迅速に対応してくれるので、業務に支障はきたしません。
また複合機の操作パネルからメンテナンス依頼ができる機種もあり、電話やメールをする手間が省けます。
キヤノンでは、複合機をインターネットでモニタリングし、エラーや紙詰まりトラブル、トナーの残量情報をセンターに自動通知してくれるネットアイというサービスも展開。ネットアイに申し込めば、障害発生時の復旧もより早くおこなえますし、消耗品の自動配送など複合機の管理業務を削減できます。
2、キヤノンの複合機にもデメリットはある
キヤノンの総合力は高いですが、メーカーとしての特徴が薄い複合機だといえます。基本性能は極めて優秀ですが、最新の新品複合機でもキヤノン独自といえる目新しい機能がありません。
電源を入れてから使用できるまでのウォームアップタイムが長いというデメリットもあります。早いメーカーは10秒台ですが、キヤノンは30秒。電源立ち上げ時や、スリープモードから復旧するときに急ぎで印刷が必要な場面ではストレスに感じることもあるでしょう。
コピー機のスタートキーを押してから紙が出てくるまでの時間を、ファーストコピータイムと呼びますが、この時間もキヤノンは少し長めです。機種ごとに若干の違いはありますが、早いメーカーが6秒代なのに対して、キヤノンは7.4秒かかります。
1秒程度しか変わらないと思う人もいると思いますが、ビジネスの際には1秒の違いを体感すると遅いと感じる人がほとんどです。
3、まとめ
キヤノン製の複合機は、基本性能が優れていてメーカーの信頼性も高いので、例えるなら万能タイプの優等生だといえます。
カラーコピーで資料を作成する機会の多いオフィスや、色味や色調に正確さを求める業種に向いている複合機です。メンテナンスの質が高いので、複合機の取り扱いに不慣れなオフィスでの導入もおすすめできます。
製品のラインナップも充実しているので、使用用途やオフィスのスペースに合わせた複合機を導入することが可能です。
ただし立ち上がりが遅いので、導入する際には待ち時間の問題を検討する必要があります。ウォーミングアップタイム、ファースト印刷タイムの問題さえクリアできれば、優秀で無難な複合機だといえます。