通信機器やコンピュータ事業で有名なNEC。改めて説明する必要がないほど国内だけではなく世界的に有名な巨大企業です。ご存知の方は多くないかもしれませんが、NECでは複合機メーカーでもありました。しかし、2013年で複合機の製造を終了しています。
ここでは、NEC製複合機の特徴をお伝えするとともに、他社の新品複合機と比べた際のデメリットをご紹介します。
目次
1,NEC複合機の特徴
NECの複合機の特徴について紹介します。
■大型液晶パネル
NECの複合機には、9インチの大型液晶パネルが搭載されています。静電気式のタッチパネルで操作性が良く、応答性に優れています。フリック操作・ドラッグ操作、画面のスクロールなど軽快な操作が可能です。大型液晶パネルは操作性だけでなく、プレビュー表示も見やすいというメリットがあります。
トップ画面には、最大23個のショートカットキーを設定できます。FAXやスキャンなどよく使う機能を登録しておくことで業務スピードを格段に向上させることができます。拡大表示もできるので、見やすく快適に操作できます。一度設定してしまえば、スリープモードからの復帰後も同じ設定で使用できるので手間はかかりません。
標準装備で専用タッチペンも付属しているのも、他メーカーにない大きな特徴だといえます。指が太く操作しにくいという男性や、爪が長い女性でもラクにタッチパネルを操作することが可能です。PCや通信機器メーカーとして実績十分なNECならではの配慮といえるでしょう。
テンキー使用時はタッチパネルでも操作できますが、液晶パネルを左にスライドするとハードウエアタイプ(押しボタン式)のテンキーが出現します。タッチパネルでは押した感覚がわかりにくいという人には、ハードウェアタイプのテンキーを使うと、押し間違えを防ぐことができます。
■省エネ設計
スリープ状態からプリント出力する場合、液晶パネルを起動させない節電動作を実施できます。スキャナー使用時やFAX読み取り時には、必要ない定着ヒーターは起動しないなどして電力消費を最小限に抑えています。スリープモード時の消費電力は3W以下。スリープモードからの復帰時間は22秒以下で、近接センサーを搭載しているため指を操作パネルに近づけるだけで自動的に復帰します。
複合機の中で一番電力を使うとされている定着ヒーターの起動時には、一般的な複合機より発熱効率をアップさせることで、消費電力を約10%削減することに成功しています。
スキャナーの光源には省電力性に優れた高輝度LEDを採用し、長寿命はもちろんスキャンスピードの高速化にも貢献。
操作パネルにエコへの貢献度をグラフ化して表示し、節約意識を高めるECO指標表示機能を搭載。電気代削減への意識や環境への関心に効果があります。
■ユニバーサルデザイン
使う人のために進化した複合機というコンセプトのもと開発されたNEC製複合機は、裏面の配線もすっきり隠せるコンパクトでスタイリッシュなデザインです。
日本語の他に、英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・イタリア語・韓国語・中国語の7カ国語に対応しています。外資系企業や大使館など、外国語を必要とされる環境でも多く導入されています。
給紙トレイは、軽い力で出し入れできます。上からでも下からでもどちらからも握りやすいフリーグリップタイプを採用。軽い力で引き出し、軽く押し込むだけでカチッと閉まります。力の弱い女性でもラクに用紙を補充できます。
操作パネルは使う人に合わせて角度調整が可能です。傾斜角は23度から55度の間で調整でき、操作パネルを押し倒して使う場合は固めの動き、手前に起こす場合は軽い力で角度が変えられる工夫がなされています。
トナー交換や紙詰まりなどの処理方法も、アニメーションガイダンスの表示で誰でも簡単におこなえます。その時点で必要な操作のヘルプ画面が出てくるので迷うことがありません。
この他にも三つ折り機能やステープル、パンチ機能を兼ね揃えた多機能フィニッシャーや、生体認証装置などオプション品も充実しているのでオフィスに合った複合機を使うことができます。
2,NEC複合機にもデメリットはある
NECの複合機は2013年3月で販売を終了しています。そのため新品複合機を購入することが難しいという問題があります。
また複合機本体の販売が終了しているので、中古複合機を購入した場合に消耗品の供給や修理メンテナンスが何年先まで続くのかという不安も生まれます。NECの公式サイトでは、引き続き消耗品供給や修理メンテナンスは実施していきますという記述はありますが、販売が終了している以上はいつ打ち切りになってもおかしくはありません。
3,まとめ
大手メーカーであるNECの複合機が販売終了になったのは非常に残念ですが、独自の操作性の良さには魅力を感じられる方も多いかと思います。新品複合機の在庫を探すのは労力がかかると思いますが、まだ新品でも在庫が見つかる可能性は残っており、中古市場にも在庫はあります。
ファーストコピータイムも3.6秒と早く、薄紙から厚紙まで幅広い用紙に対応しています。優秀で信頼あるメーカーなので、メンテナンスや消耗品供給の問題がクリアできれば、導入を検討してみるのもいいですね。